医師不足対策で医師をかき集めずにできること
asahi.com:昨秋スタートの国立病院間の医師派遣、半年で打ち切りにという記事が出ていました。
国立病院でも深刻化する医師不足に対処しようと、全国146病院を管轄する独立行政法人・国立病院機構が「緊急医師派遣制度」を昨秋導入したものの、半年で中止に追い込まれていたことがわかった。一方、31日に医師確保対策を決める政府・与党は、「即効性のある対策」として、国立病院の医師らを地方の病院に派遣する制度を打ち出す。同機構は「国立病院間でも難しかったことなのに」と困惑している。
医師不足の地方などに医師を派遣するという新しい取り組みも、これでは絵に描いた餅になりそうです。産休・育児で現場から離れている女性医師を復職させやすい仕組み作りというのも、看護師不足の時に似たようなことが話題になりましたが、その後どうなっているのでしょうか。
さて、医師不足を解消するために、医学部の定員を増やす策なども考えられていますが、それでは医師不足が解消するのは早くて8年後です。(スーパーローテーションの2年を含めて)。その間に勤務医は激務でつかれてどんどん倒れていってしまうでしょう。
医師不足を直ちに解消するには、医師の仕事を減らすことしかありません。現在の制度では医療において医師がしなければならない仕事が多すぎます。医師がしなくても良い事務作業はどんどん他職種に振り分け、医師でなければならないことでも医療秘書(クラーク)をつけて代理入力させるなどの対策が有効です。
おりしも平成13年に公表された『保健医療分野の情報化にむけてのグランドデザイン』により、中途半端な電子カルテ化が進められたことも、診療効率の低下を招き、結果的に病院勤務医の負担を引き上げていると思います。病名をつけるのは医師ですが、カルテに記述するのにくらべ、電子カルテで入力するのは手間が相当かかります。医療情報システムを開発する側としても、可能な限り医師の負担を減らせるようなシステム作りが求められてきています。
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