萩野貞樹『ほんとうの敬語』
『ほんとうの敬語』。タイトルからして柴田武氏の『ホンモノの敬語』への批判が感じられますが、実際にその通りでした(笑) それどころか、国語審議会や金田一春彦氏、『広辞苑』までバッサリ切り捨てて、私の言うことだけ聞いていればよろしい
とまで書かれています。
「なんか変な本を買ってしまったなあ……」と思いつつ読み進めていくと、その考えは変わっていきました。それも目から鱗が落ちるようでした。この本はすごい! 今まで読んだどの敬語の本よりも分かりやすかったです。敬語というものは、いままで難しいものだと思っていました。国語の授業で習ったときも、他の本を読んだときも、分かったような気にはなるものの、イマイチしっくり来ない感じでした。
それが、この本を読んで「敬語ってこんなに簡潔だったんだ」ととてもスッキリしました。特に謙譲語や丁寧語の説明は、非常に分かりやすいです。いや、この年になってはじめて分かりました。『スタイルシート Web デザイン』で、HTML とスタイルシートの関係を初めて理解したとき以来の衝撃かも。
本書中ではハギノ式という、図式で敬語を解説してくれるのですが、これがまたわかりやすいのです。しかも、ハギノ式は UML にも通じるシンプルな美が感じられました。巻末には新書には珍しく索引も付けられ、参考書として手元において使うことも考えられています。敬語の参考書はこの本で決まりでしょう。お薦めです。
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