Winny作者支援団体のサイト FreeKaneko.com が開設

2004-5-21 00:41
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INTERNET Watch によると、先日逮捕された Winny 開発者の47氏こと金子勇容疑者を支援する団体が、公式サイト freekaneko.com を開設したそうです。もともとは金子氏の技術者仲間の新井氏が、自身のウェブログで逮捕後の動向を伝えたり、寄付金を募ったりしていましたが、それらが移行したようです。弁護団の情報も掲載されています。

支援団体の紹介には次のようにあります。

私たちは「金子勇氏を支援する会」、通称 freekaneko.com として5月13日に発足しました。弁護団とは独立して、ウェブサイトを通じた広報活動などによって金子氏を支援することが目的です。主にソフトウェア技術者によって構成されています。

それにしても金子氏は、なかなか優れたプログラマーだったようです。未踏ソフトウェア創造事業に二度参加し、平成12年度は『双方向型ネットワーク対応仮想空間共同構築システム』、平成13年度には『双方向通信型3Dワールドシミュレーター』というプロジェクトに参加していたようです。
また金子氏の個人サイトには、OpenGL を使った各種ソフトなどが公開されていますが、これはすごいと思ったのは Prototype-based Object File System です。

PBO-FSについての概要 を読みましたが、かい摘んで言うと、オブジェクト指向のファイルシステム という概念です。なかなか面白いので、時間がある方は一読されることをおすすめします。正直な話、これを読んで「この人、天才かも」と思ってしまいました。さらにこのファイルシステムの実装があるというのだから驚きました。

まあ、金子氏が天才かどうかはわかりませんが、Winny というツールを開発してしまった
のは事実です。悪用も予見できた上でツールを公開していたのでしょうし。しかし、今回の逮捕に懸念を抱く人の気持ちも理解できます。FreeKaneko.com のどこが問題なのかより。

現在は多くのソフトウェア技術者が不安を抱えながら研究開発を進めています。先日には、セキュリティ研究者が調査研究をしたさいの手順が問題とされ、逮捕される事件がありました。それは業界に大きな衝撃を与え、不安に陥れました。

そこに続いての今回の強引な逮捕で、もはやソフトウェア技術者にとって逮捕されることは日常的な危機となりました。私の知人のP2P研究者らも、研究が成功してユーザが増えれば逮捕されてしまうかもしれない、などと話しています。

書かれているように、技術者・研究者を萎縮させ、技術の発展が阻害されてしまうことが気かがりですね。

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