レーシックは危険なのか? 近視矯正手術での感染症事件の原因は
近視矯正手術で67人が感染症(産経新聞)というニュースがありました。東京の銀座眼科で、レーシック手術を受けた患者のうち67人が、感染性角膜炎などを発症したようです。
東京都中央区保健所は25日、銀座眼科(同区)で、レーザー光線を使って近視を矯正するレーシック手術を受けた患者639人のうち67人が、感染性角膜炎などの健康被害を訴えたと発表した。67人のうち1人が医療機関に入院しているという。同保健所では、銀座眼科の衛生管理が不徹底だったことが原因とみて詳しいことを調べている。
このニュース、ネット上では予想通り「やはりレーシックは危険だ!」というような反応をしている人もあります。今回のニュースで「レーシックは危険だ」と思いこんでしまった人も多いと思います。
しかし、今回の事件の原因は、レーシックという手術方法自体の問題ではなく、手術に使う器具の滅菌が不十分であったり、手袋の使い回しなど、ずさんな衛生管理体制にあります。asahi.comの記事によると、オートクレーブ(滅菌器)の故障の可能性が高く、しかも定期点検をしていなかったとのこと。
東京都中央区の銀座眼科で視力回復のためのレーシック手術を受けた67人が角膜炎などを発症した問題で、溝口朝雄院長が区保健所の立ち入り調査に対し、3年前の夏の開院以来、手術器具の滅菌装置を「点検していなかった」と話していることが26日、わかった。開院当初から感染防止体制がずさんだった恐れが高まり、区保健所は発症者が出た昨年9月~今年1月以外の時期に手術を受けた人にも発症者がいないか確認するよう同眼科に指示した。
区保健所によると、銀座眼科は06年8月の開院。今回の集団発症は角膜を削る手術器具の消毒に使う高温高圧の滅菌装置に不具合があって滅菌が不十分だった疑いがあるが、溝口院長は「メンテナンスをしなければいけないという認識がなかった」と話したという。
また、読売新聞はもっと詳しく取り上げています。
使い捨てにすべき患者用手術着の使い回しも判明し、区保健所は衛生管理がかなりずさんだったとみて、67人以外にも発症者がいないかどうか確認を指示した。
今回の集団感染は、角膜の表面を薄く切る道具の先端を高温で滅菌する装置の故障が一因である可能性が高いとされ、メーカーの調査で滅菌温度が十分に上がらない不具合が確認されたという。ところが、溝口院長は区保健所の調査に対し、「点検を行ったことがなく、正常に作動していると思った」と話したという。取り扱い説明書も院内に保管しておらず、区保健所は溝口院長が滅菌装置が適正に動いているか確認する方法さえ知らなかったと見ている。
さらに、溝口院長は、手袋を着用せずに手術したことがあるほか、手洗い用の消毒液についても「薄めて使っていた」などと説明。手術室の清掃は溝口院長が不定期に行っていたという。
これには開いた口が塞がりませんね。 これでは手術をしなく検査を受けただけでも感染しそうです。
私もレーシックを眼科で受けましたが、その眼科医に話を聞くと、レーシックは眼科の手術の中ではもっとも感染症を起こしにくい部類の手術だそうです。なぜならフラップの切り込みが入る角膜は、眼の直接露出している部分で、直接消毒薬が行き渡るところだからということです。実際に、手術の前後はこれでもかというくらい殺菌消毒の目薬をつけまくります。67人も感染症を出すなんて、あり得ないと驚かれました。
レーシックが危険というのではなく、信頼できる医療機関を選ぶというのが大事ですね。大事なことは、わからないこと、疑問に思っていることを、医師に事前にどれだけでも尋ねてみることだと思います。
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