Netscape が築き上げたもの
今の若い人はウェブ系のエンジニアであっても Netscape を知らないことに驚く。Netscape の歴史や栄枯盛衰については別の機会に語りたいけれども、彼らはオープン標準に本当に貢献してきたと思う。それは Firefox や Thunderbird というソースコードのことではない。それらのもとになった Netscape Navigator などをオープンソースにしたことも素晴らしいが、それ以外の規格・仕様のことだ。Netscape がどういうものを作り、残してきたか。
JavaScript
いうまでもなく、今日の Web では欠かせないAJAX の構成要素でもある。当初は LiveScript という名称だったがマーケティングの事情で JavaScript となったことは有名。現在は ECMAScript として標準化された。
SSL
セキュアなウェブアクセスを提供する SSL も今日欠かせないものになっている。彼らは新しい機能を追加するときにセキュリティについては徹底的に議論したという。(いま考えると弱い部分もあったけど。)
Cookie
これも Netscape の発明。
RDF
RSS のベースとなった規格 RDF も Netscape が生み出した。もともと Apple の MCF を Netscape が XML に拡張し、標準化されたもの。当時は RDF はほとんど理解されず、注目を集めるのはブログがブームになった 2002 年以降のこと。
こうしてみると、Netscape が関わった多くの技術規格が今日必要不可欠なものになっている。他方、IE 擁する Microsoft が繰り出してきたものはどうであったか。例えば VBScript や ActiveX は非互換の問題しか生んでいない。もっともこれには Netscape 側も JavaScript Stylesheet (JSS) や、独自の HTML 要素の追加などのミスはあったが、Microsoft の方がひどかった。
過去の Netscape には革新的なブランドのイメージがあり、そのイメージは Google でもいまだに超えられていないと思う。Apple は革新的なイメージを出すのはうまいけど、何かオープン標準なものをつくっただろうか。
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