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あのウェブブラウザが帰ってきました。そう “Netscape” です。1994 年にリリースされた Netscape Navigator は、一時はウェブブラウザのシェアの 95% を占め、Netscape Communications は IT 企業としては IPO 史上最大の資金を調達しました。(Google が今まさにそれを抜き去ろうとしていますが。)当時の Netscape の勢いは今でも忘れることが出来ません。

その Netscape も Microsoft に目を付けられ一気にシェアを奪われ、AOL に買収された後、ブラウザはオープンソースなり、サーバソフトウェアは SUN に売却されてしまいます。の凋落ぶりは惨憺たるものでした。昨年夏、Netscape ブラウザは、バージョン 7.1 を最後に開発が打ち切られ、開発者も解雇されたというニュースが流れました。Netscape というブランドを好きだった私には悲しい物がありました。

一方でオープンソースになった “Mozilla” ブラウザと、その最新仕様である “Firefox” は、最近になって関心を集め、Internet Explorer からシェアを取り戻し始めています。これは明るいニュースです。Mozilla と Netscape は使い勝手もほとんど同じ、兄弟のようなブラウザです。私は Mozilla と Firefox を使い続けていこうと心に決めたのでした。

……しかし、どういうわけか Netscape が一年ぶりの復活です。なぜ、この時期になって復活したのでしょうか。AOL の方針の変化でしょうか。戸惑います。正直「もう戻ってこない方が良かった」という感想を持つ人は私だけではないでしょう。好きだったとはいえ、訣別したのに戻ってこられると、どうにも歓迎できないものがあります。

ちなみに Netscape 7.2 は Mozilla 1.7.2 ベース で、パフォーマンスの改善などのほか、各種のセキュリティホールの修正がなされているそうです。すでに Mozilla を使っている人が移行するメリットはほとんど無いでしょうが、Netscape 7.1 を使い続けていた人は 7.2 にバージョンアップした方がよいでしょう。とはいえまだリリースされているのは英語版のみのようです。