ナレッジ・マネジメントがわかる『思考停止企業』
一時期流行したナレッジ・マネジメントという言葉ですが、最近はあまり聞かなくなりました。当たり前のツールとして浸透したため目立たなくなったのかもしれませんが、ほとんどの企業では導入したものの使われなくなってしまったのだと思います。
『思考停止企業』は、Concept Base で評価の高いジャストシステムのエンタープライズソリューション協議会 (JECS) によって書かれていますが、実に面白い構成をしています。
小説・ドラマ仕立てになっていて、ナレッジ・マネジメントとは何か、なぜ重要なのかと言ったことから、導入に当たって突き当たる壁などが詳しく描かれています。舞台となるのは架空の企業ですが、これがまた危機的状態ではないが、ゆっくり衰退していきそうな、どこにでもありそうな企業として描かれています。
縦割りになった部署間の争いや、保守的な上司など、「あるある!」と思わず叫んでしまうほど共感してしまいます。「思考停止企業」は特別な企業ではなく、社内の部署間の神経が切れた、ありふれた企業です。その企業の神経を IT でつなぎ、ナレッジ・マネジメントにより再生しようというのが本書で描かれるドラマです。
エンタープライズアーキテクチャ (EA) やサービス指向アーキテクチャ (SOA) といった流行りの言葉に飛びつくのもいいですが、ナレッジ・マネジメントを見直してみるいいきっかけになると思います。技術者以外の人にも読めますので、おすすめです。
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