UFJが信託銀行を住友信託に売却
UFJホールディングスが、傘下のUFJ信託銀行を今年秋にも住友信託銀行に売却することが決まったそうです。急遽話がまとまったように思えますが、昨秋頃から住友信託側より打診が来ていたそうです。とはいえ住友信託銀行への売却は、なんだかUFJグループの解体が始まったような感じでもあります。
信託の売却先が、住友信託なのは UFJ にとっても一番良かったのではないでしょうか。というのも住友信託は「住友」グループではあるものの、三井住友銀行とは距離を置いています。そこで統合後の新信託銀行に UFJHD が出資することで、なんとか金融グループとしての体裁を維持できるからです。
住友信託銀行としては、いままで業務提携関係にあった三井住友銀行に加え、UFJ も代理店として利用できます。しかも、UFJ信託銀行との統合により、三菱信託銀行を抜いて業界第一位に躍り出ます。住友信託銀行は公的資金2000億円を全額前倒し返済している上、UFJ 信託の注入された公的資金の債務はUFJ銀行が引き継ぐため、新信託銀行は公的資金の重荷がない健全な信託銀行になり競争力も強いでしょう。
今回の件で痛手を被ったのは、三井トラストホールディングスでしょうかね。三井トラストHDは、中央三井信託銀行と三井アセット信託銀行の持ち株会社です。三井住友銀行が合併し、三井住友建設などが誕生し、一時期信託銀行の統合も囁かれましたが、もう統合はないでしょうね。旧中央信託が引き継いだ拓銀の店舗が重くのしかかっていますので、今後の再編に巻き込まれる可能性は高いです。
7月14日追記
UFJ信託と住友信託との統合が破談になりました。
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