「お申し出下さい」は間違った敬語? <改訂>

2003-8-3 10:22
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「お申し出下さい」は間違った敬語なのでしょうか。相手の動作だから「申す」を使ったら間違いだという人がいますがどうでしょう。

まず、「申す」という動詞は、尊敬語ではなく謙譲語ですね。目下の人が使うもので、目上の人の動作に使う言葉ではありません。たとえば部下が「私が申しましたように……」というのは正しい使い方ですが、「(上司の)あなたが申されたように……」というのは間違っています。(目上の人の動作は「仰る」が正しい。)

相手かどうかではなく、動作の主体が目上か目下かで同士が変化するのが敬語ですので、「相手の動作だから『申す』はとにかく間違い」ということはありません。

さて、本題です。たとえばお店のお客さんに対して「お申し出下さい」「お申し込み下さい」と言うことがあります。これは間違っているのでしょうか。

「申す」は謙譲語でも、「申し込む」は、謙譲語ではありません。よって「お申し込みください」は目上の方の動作としても問題ないというのが一般的だと思います。

では、「申し出る」はどうか。謙譲語かどうかは意見が分かれるところです。辞書によっては謙譲語として扱われていないこともあります。

しかし 「お申し出ください」という表現を気にする人もいますので、「お申しつけ下さい」という言い方をすれば無難でしょう。「申しつける」は相手が上の立場になりますのでOKです。ただし、明らかに相手が目下の場合は間違った使い方になってしまいますが。

追記と訂正

初出時に、目上の人、目下の人ではなく、自分、相手となっていたため間違った記述となっていました。お詫びして訂正致します。

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