三浦展『下流社会』

2005-11-29 23:07
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三浦展 下流社会 新たな階層集団の出現 光文社新書

格差社会に関する本が、結構関心が高いようですが、三浦展の『下流社会 新たな階層集団の出現』が売れているようなので手にとってみました。この本は著者の想像や観察だけでなく、統計データをクラスタ分析した結果などをもとに考察しているので説得力があります。ただしサンプル数の少ないアンケートが統計データとしてどれだけ有意なのかは分かりません。また統計データからの結論の導き方に強引な感も否めません。

「下流」とは、単に所得が低いということではない。コミュニケーション能力、生活能力、働く意欲、学ぶ意欲、消費意欲、つまり総じて人生への意欲が低いのである。その結果として所得が上がらず、未婚のままである確率も高い。そして彼らの中には、だらだら歩き、だらだら生きている者も少なくない。その方が楽だからだ。(「はじめに」より)

このように下流社会とは貧困層のような下層社会ではないとのことですが、この格差が広がっていけばアメリカのような貧困層が多い国になっていってしまうということを、感じさせてくれます。

マーケティング業界に身を置く著者ですが、下流社会にどのようなものを売れば売れるかというような視点では書かれていません。また何をすれば「上流」になれるかを書いた本でもありませんし、年収300万円で暮らす方法が書かれているわけでもありません。ちまたで言われてる格差社会が到来していることを、統計データで裏付け、分析しているという本です。

本書は「あなたの下流度チェック」から始まり、分裂した階層の種類の紹介などがなされていますが、「おわりに」ではこの格差がひろがりつつある社会を憂いています。この本を読んで、上流に上ろうとするのか、格差そのものを無くそうとするのか、いろいろ考えさせられることはあると思います。本書の定義する「下流」にずばり当てはまってしまう人は読むと気分を害するかも知れませんが。

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