池上彰『「話す」「書く」「聞く」能力が仕事を変える! 伝える力』
かつて NHK の「週間こどもニュース」でキャスターを務めていた池上彰さん。非常にわかやすい説明だといつも感心していました。その後 NHK を独立しフリーになり講演活動や執筆活動をされています。民放でもたまにお見かけします。
その池上さんが『伝える力』と出した本を出されていました。分かりやすい表現とはどのような表現なのか。まずい文章と、より良い文章の比較や、具体例を通じて、理解しやすく説明されています。
私は繰り返し読みたいと思えるような役に立つ本には、赤線をどんどん引きながら読むのですが、一読しただけで真っ赤になってしまいました。線を引いた箇所の一例を挙げると、
三〇秒もあれば、相当なことが言えます。起承転結まで含めた、ちょっとしたストーリーまで話せることに気づいたのです。オチを入れることも可能です。
ただしもちろん、一つのテーマが精一杯です。
たとえば、プレゼンテーションで与えられた時間が三分や五分、あるいは一五分ぐらいあっても、同様に、話すテーマは一つで充分です。
一〇分や一五分ぐらいあると、二つ、三つのことを話したくなりがちですが、これだと、消化しきれずに散漫になってしまいます。
一〇秒あれば、かなりのことが言える。三〇秒あれば、起承転結を含めた話もできる。
この30秒あれば起承転結、オチまでつけた話ができるというのは目から鱗です。さらに15分のプレゼンテーションでも1つのテーマに絞った方が良いというのも、考えてみれば確かにその通りです。なんでもかんでも知っていることを詰め込みたくなりますが、いかに絞り込むかが大事だと思います。いいことを学ばせていただきました。
この本を読んでから、いや読んでいる最中から、文章の書き方が変わりました。といっても、みなさんに伝わるほど良い文章を組み立てられるようになった、というわけではありませんが、確実に以前よりも、より文章を意識しながら書くようになりました。
本書は PHP ビジネス新書ですが、コミュニケーションはビジネスであるかどうかを問わず重要です。とくにブログで文章を書いている人も一度手にとって読んでみてください。あなたの表現が変わる一冊です。
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