Lotus 1-2-3 を Windows 2000 の制限ユーザで使う
ソースネクストが出している 1,980 円の Lotus 1-2-3 ですが、パッケージにはAdministrator 権限でご使用下さいと書かれています。
しかし、まともな企業や団体では、一般利用者に Administrator 権限はもちろん、PowerUser 権限すら与えていないと思います。
Lotus 1-2-3 が一般ユーザ(制限ユーザ)で使えるかどうか試してみました。
まず、Lotus 1-2-3 をマルチユーザで使うためには、CD-ROM を入れたら自動起動するインストーラを使ってはいけません。自動起動するインストーラは終了して、「ファイル名を指定して実行」もしくはコマンドラインから、次のように指定します。(Q: は CD ドライブです。環境に合わせて読み替えてください。)
Q:\lotus\install.exe /M
このようにインストールしないと、スタートメニューなどのファイルがインストールした管理者にだけ表示され、全ユーザには表示されません。この状態でインストールを完了し再起動します。
レジストリのエラー
この状態では Administrator 権限があれば、Lotus 1-2-3 を使用できます。しかし、一般ユーザで試したところ、起動はできるものの、動作が不安定だったり、終了時にレジストリの書き込み権限がないと言われてエラーになってしまいます。
これは Windows NT の思想を理解していない人が作ったソフトにありがちなのですが、 Windows のレジストリには各ユーザが読み書きする部分と、システム的に重要なため管理者以外は書き込めない場所があります。一般ユーザは、その重要な部分を参照だけすればよいのですが、書き込み権限付きでキーを開こうとしたり、書き込み権限がない場所に値を保存しようとしてエラーになります。
具体的に書くと、HKEY_LOCAL_MACHINE は読み取りだけにして、HKEY_CURRENT_USER に各ユーザが読み書きすればよいのです。Lotus 1-2-3 の場合、\\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Lotus\ というキーを一般ユーザで書き込もうとして(または書き込み権限付きで開こうとして)エラーが出ているようです。
部分的にレジストリの書き込み権限を与える
このような場合には、一般ユーザに Administrator 権限を与えるのではなく、該当するレジストリ箇所に限定して、書き込み権限を与えます。これには regedt32 というプログラムを使用します。
「ファイル名を指定して実行」から regedt32 を実行します。regedit ではありませんので注意して下さい。
HKEY_LOCAL_MACHINE の \SOFTWARE\Lotus を選択し、メニューの「セキュリティ」-「アクセス許可」から「Users」グループがフルコントロールできるようにチェックを入れます。これで一般ユーザに \\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Lotus\ の書き込み権限が与えられます。
この状態では、一般ユーザでも Lotus 1-2-3 をエラーもなく使うことができました。このテクニックは、他の Administrator 権限を必須とするダメダメソフトでも応用できるでしょう。また Windows XP でも同じだと思います。ただし、XP の場合は regedit でも regedt32 でも同じで、右クリックメニューから「アクセス許可」の設定が可能です。
今回は Users グループに直接アクセス権を設定しましたが、独自のグループを作成して権限を与え、必要なユーザだけそのグループにも所属させたほうが、より好ましいと思います。
ちなみに 1,980円の Lotus 1-2-3 には、データベースソフトの「アプローチ」も附属しています。アプローチはガントチャートが作れるので、意外と便利です。OpenOffice にはデータベースソフトは附属していないので、組み合わせて使うのも良いかも知れませんね。
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