XAMPP Lite でローカルの CakePHP の開発環境を構築する

2010-7-24 17:27
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いまさら聞けない、Windows PC 上に XAMPP による開発環境を整える手順のまとめです。といってもよくある XAMPP ではなく XAMPP Lite で必要最小限のセットアップをしてみました。CakePHP の開発環境を作ってみます。

XAMPP とは

Windows PC のローカル環境で CakePHP によるシステム構築をするため、Apache, PHP, MySQL、phpMyAdmin をセットアップする手順です。

それぞれの Windows 版を個別に入手・インストールしても構いませんが、XAMPP for Windows を使ったほうが簡単ですので
XAMPP を使ってインストールします。

XAMPP は Apache、MySQL、PHP といったウェブアプリケーション開発に必要なソフトウェアをひとまとめにローカル環境に構築できる便利なオール・イン・ワン・パッケージです。追加で Perl, Tomcat などもインストールできます。

ただし XAMPP は実運用のためのセキュリティ設定はなされませんし、パッケージに最新版が含まれているとは限りませんので、本番運用環境には適していません。通常は開発や学習・動作検証に使用します。

Lite 版のダウンロード

XAMPP の最新版は FileZilla FTP Server や Mercury Mail Transport System、Webalizer、SQLite なども含まれており肥大化している感もあります。そで、ここでは軽量パッケージ版である XAMPP Lite を利用します。ダウンロード・ファイルサイズも半分ほどですみます。

http://www.apachefriends.org/jp/xampp-windows.htmlにアクセスしてXAMPP Lite の EXE 版をダウンロードします。本稿執筆時点の最新版は 1.7.3 です。

インストール

ダウンロードしたxampplite-win32-1.7.3.exe を起動してインストールを行ないます。

XAMPP Lite のインストーラ

インストール中にコマンドプロンプトが出て設定を尋ねられます。基本的にはデフォルトの設定のまま Enter を押して進めていきます。

XAMPP のインストール中にコマンドプロントが表示される

Should I add shortcuts to the startmenu/desktop? (y/n): y

スタートメニューとデスクトップにショートカットアイコンを作るかどうか。y は「はい」です。


 Should I locate the XAMPP paths correctly?
 Should I proceed? (y/x=exit setup): y

XAMPP のパスは正しいですか? ここは y=「はい」を選択。
X を押すとセットアップは中止されます。


 Should I make a portable XAMPP without drive letters?
 NOTE: - You should use drive letters, if you want use services.
       - With USB sticks you must not use drive letters.
 Your choice? (y/n): n

USB メモリなどにインストールして移動可能にするには「y」を押しますが、通常は「n:いいえ」を選択。


 I have set the timezone in 'php.ini' and 'my.ini' to "Asia/Tokyo".
 You should correct these values if my guess was wrong.
 Press  to continue: 

PHP のタイムゾーン設定を “Asia/Tokyo” にするかどうか。そのまま Enter を押します。


 1. start XAMPP Control Panel
 2. relocate XAMPP
    (current path: C:\xampplite)
 3. disable HTTPS (SSL)
 4. disable Server Side Includes (SSI)
 5. enable IPv4 only (current: IPv4/6 (auto))
 x  Exit

ここで XAMPP パスの変更などができますが、とりあえず 1 を押してコントロールパネルを起動します。x を押してコマンドプロンプトを終了します。

XAMPP のコントロールパネル

コントロールパネルでは Apache と MySQL のみが選択できるようになっています。FileZilla (FTP) や Mercury, Tomcat はインストールされていませんので項目は使用できない状態です。

ここで “Start” を押すと Apache と MySQL が起動します。起動させたらブラウザで http://localhost/ にアクセスします。XAMPP のログマークが出ればすくなくとも Apache は正常に動いています。

XAMPP インストール後のスタート画面

うまくいかない場合は、Skype などポート80を使用するアプリと競合している可能性があります。Skype が起動していれば終了させてください。

画面の「日本語」を選べば次のような画面が出ます。phpMyAdmin のリンクを開いて、エラーが出なければ MySQL も動作しています。

XAMPP の日本語メニュー

自動起動の設定

毎回コントロールパネルから Apache や MySQL を起動するのは面倒だという人はWindows のサービスとしてインストールすることで自動起動させることができます。

XAMPP で Windows のサービスをインストール

コントロールパネルの「Svc」の項目をチェックしてください。サービスとしてインストールされます。右の「SCM」ボタンを押すと、Windows サービスの設定画面が立ちあがりますので、ここで自動起動の設定ができます。

ただし自動起動してバックグラウンドで動かすと、その分 PC の動作が遅くなりますので、開発用のサーバなどでない場合は設定しない方が無難でしょう。

Apache の設定

CakePHP は Apache の mod_rewrite が有効になっている必要があります。C:\xampplite\apache\conf\httpd.conf で以下の行が有効か確認してください。

LoadModule rewrite_module modules/mod_rewrite.so

CakePHP をインストールするフォルダは .htaccess が使える必要があります。通常、C:/xampplite/htdocs の下は.htaccess が有効になっています。これ以外のフォルダにソースを置く場合は設定を追加しましょう。

phpMyAdmin の動作確認と設定

ます、CakePHP で利用するデータベースを作成する必要があります。コントロールパネルから Apache と MySQL を起動し、http://localhost/phpmyadmin/ にアクセスします。

phpMyAdmin でデータベースを作成する

正常に動作していればこのような画面になります。ここで CakePHP 用にデータベースを作成します。ここではデータベース名を cake、照合順序は “utf8_unicode_ci” とします。

CakePHP のダウンロード

http://github.com/cakephp/cakephp1x/downloads よりダウンロードします。最新版は 1.3.0 ですが、ここでは安定版として実績のある 1.2.7 系列をダウンロードしました。

zip ファイルを解凍して、C:\xampplite\htdocs\cakephp にファイルを展開します。ブラウザで http://localhost/cakephp/ にアクセスします。

CakePHP インストール後の画面 黄色い部分が警告

黄色い部分は設定が不充分で警告が出ています。まず、app\config\core.php の中の Security.salt の値を変更する必要があります。

また、app\config\database.php.default を database.php にリネームしてデータベースの設定を書き換えます。

	var $default = array(
		'driver' => 'mysql',
		'persistent' => false,
		'host' => 'localhost',
		'login' => 'root',
		'password' => '',
		'database' => 'cake',
		'prefix' => '',
	);

ユーザ名は root、パスワードは空白、database を phpMyAdmin 作成したデータベース名に変更します。画面の警告が消えて緑色になればOKです。

CakePHP で設定が終了したところ

XAMPP のセキュリティの設定

さて、本番環境では MySQL や phpMyAdmin への root ユーザのパスワードなしのアクセスは大変危険です。また、インストール後は phpMyAdmin などもローカルネットワークからアクセスできる状態になっています。

開発環境でも公衆無線 LAN 環境などで使用する場合はアクセスされる危険性があります。http://localhost/security/ からセキュリティ上要注意の項目が確認できますので、かならず変更しておきましょう。

XAMPP のセキュリティを確認する

この画面で「要注意」の項目はセキュリティ上見直しが必要になります。このページから MySQL の root パスワードの設定や、管理画面へのアクセス制限設定が可能になります。ぜひ設定しておきましょう。設定が済めば、以下のような画面になります。

XAMPP でセキュリティの設定を行なった後

これでローカルで XAMPP を動かし、CakePHP をいれるところまできました。次は Eclipse を用いて CakePHP の開発ができるようにします。(つづく)

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