あなたの落とし物が売却されるかも。改正遺失物法の要点
あなたの落とし物が誰かに拾われて届けられても、どこかに売却されるかもしれません──。今年の12月10日から改正遺失物法が施行されることにより、そのようなケースが発生します。
遺失物とは落とし物や忘れ物のことです。遺失物法は明治32年(1899年)に制定されたあと、昭和33年一部改正されましたが、100年以上続く歴史のある法律です。法律制定当初は、交通網もあまり発達していませんでしたが、今日では、電車や、バス、飛行機などの交通手段が発達しました。そのため、落とした場所と拾った場所、届けられた場所が違ったり、地域という枠組みを越えた遺失物も多くなりました。
また情報化社会となり、個人情報の取得物の扱いなど、新しい問題もでてきました。それらを踏まえて、遺失物法が改正されるわけですが、その要点をいくつか挙げてみました。
保管期間が3か月に
これまでは警察に拾得物が届けられた場合の保管期間は6か月でした。改正法施行後は、3か月になります。
拾得物の情報がインターネットで公表
各都道府県内での拾得物の情報が集約され、インターネットで公表されます。これは嬉しいですね。自分で忘れたものを探しやすくなります。
個人情報が入った拾得物は所有権を取得できません
今後は携帯電話など個人情報が入った落とし物は、たとえ保管期間の3か月以内に落とし主が見つからなかった場合でも、拾得者に所有権が移らなくなります。
特例施設占有者制度が新設
鉄道、バス、船、航空機などの公共交通機関の施設は、大量の遺失物を取り扱いますので、2週間以内に拾得物に関する事項を警察に届け出たときは、その拾得物を自ら保管できるようになりました。
安価な品物は2週間以内に落とし主が見つからない場合は売却可能に
落とし主がなかなか名乗り出ない上に、保管にコストがかかる傘や衣類などの安くて大量の忘れ物・落とし物は、2週間以内に落とし主が見つからない場合に売却等の処分ができることになりました。
犬や猫は遺失物法の対象外
動物愛護法の対象となる犬や猫などのペットは、遺失物法が適用されないで都道府県等が引き取ることになります。
以上がポイントですが、ものによっては2週間で売却処分もあり得るというのが最大のポイントでしょうか。これは特例施設占有者制度とのコンボも可能なので、アメリカの空港のように、預けた手荷物が出てこない→勝手に遺失物扱い→業者に売却→リサイクルショップで販売されてしまう(専門のショップまである)、などということがありえます。この傾向が強くなっていくと恐ろしいです。くれぐれも持ち主の情報は書いておくようにしましょう。
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