BayStar が SCO に資金返還要求の波紋
CNET Japan が『SCO、資金提供者から2000万ドルの返却要求』という記事を報じています。SCO Group に投資している投資会社 BayStar Capital が、SCOに対して資金の返却を求めたそうです。
SCOが米国時間16日に発表した声明によると、BayStarは15日SCOに書簡を送り、「BayStarが投資したSCOのSeries A-1転換優先株2万株をただちに償還」するよう求めたという。
この資金返還が実際に行なわれると、SCO は IBM などに対する訴訟の資金を失うことになります。japan.linux.com の記事によると、
「BayStarが2000万ドルを取り戻せる可能性はあまりないだろう。私立の普通株投資会社が、償還を望んでいない会社に対して償還を要求するのは非常に難しいからだ。しかし、SCOが今後資金援助を受けるのは困難になるだろう。」
とのことで、実際に資金が引き揚げられる可能性は少ないものの、今後の追加融資も受けられなくなりそうです。そうなった場合、ゆくゆくは資金が涸渇し、SCO はやっていけなくなるわけですが、これか IBM と Linux 陣営にプラスかどうかは疑問です。SCO はすでに Micosoft と SUN からライセンス料として資金提供を受けています。この二者は先頃、和解したばかりですが、ライバルとはいえ、共通の「敵」があります。
SUN は Cobalt を買収するなど、一時は Linux に力を入れていましたが、最近では再び PC 版 Solaris に力を入れ、Cobalt シリーズを廃止するなど、Linux への取り組みを弱めてきました。そして、MS と SUN の和解で、Linux からの撤退はほぼ確実になったと言えるでしょう。SUN が生き残るには Linux ではなく、Windows と親和性の高い Solaris を提供することだと気づいたからです。
そして、SUN と MS は、Linux に対抗するための前線部隊として使っていた SCO が倒れたら放っては置かないでしょう。SCO の資産をどちらかが買収するという可能性は大いにあります。SUN にとっては良い買い物でしょう。そうなると、IBM, Linux 陣営にとってプラスにはならない可能性も高いのではないでしょうか。
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