往生
2003-2-10 23:13
往生という言葉は、「困った」とか、「死んだ」という意味で使われています。
例えば、「昨日、電車が止まって往生した」とか、「今朝、隣の婆さんが往生したそうだ」などです。
進退が窮まることを「弁慶の立ち往生」ということもあります。
しかし、「往生」という字を見ると、困るとか死ぬという意味は見あたりません。
それもそのはず、本来は全く正反対の意味なのです。
「往生」は二通りの読み方が出来ます。
「生かされて往く」または、「往って生まれる」です。
「生かされて往く」とは、「生きている今、幸せに生かされて往く」ということ。
「往って生まれる」とは、「死んだ後、極楽浄土に往って、幸せの身に生まれる」ということ。
仏教から来たこの言葉、現在も未来も幸せの身になったことを「往生した」というのです。
お坊さんからして「大往生」という言葉を連発していますが、本来と正反対の使い方は慎むべきでしょう。
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