abbr と acronym の使い分け
HTML 文書の論理構造で、誰もが悩むことの一つとして、「略語には abbr を使うべきか? それとも acronym を使うべきか?」というものがあります。abbr も acronym も略語をマークアップするための要素ですが、どう使い分けたらよいのか明確な基準がありません。
以前は「acronym は頭文字。それ以外の略語全般は abbr」というような記述が多く、私もそのように覚えていました。それでも、「NATO のように一語として発音するものは acronym だが、WWW のように一文字ずつ発音するのは abbr」という説明もあり、いま一つはっきりしない状態でした。
しかし、最近調べたところ、実は acronym は不要であるという方向に向かっています。そもそも、acronym が導入された経緯というのが、「IE4 が acronym のみに対応し、abbr に対応していないから」だったそうです。XHTML2.0 では acronym は削除が検討されています。略語は abbr を使いなさいということでしょう。
しかし、Windows 版 IE6 でも acronym には対応しているものの、abbr には対応していません。内部的に同じ処理をすればよいだけなので、これは MS の怠慢と言わざるを得ないでしょう。(対応していないのではなくバグだという説もあります。)
結論としては abbr を使いましょう、ということなのですが、圧倒的なシェアを誇る IE が非対応というわけです。現状では acronym も使い、XHTML2.0 の仕様が具体化したら、abbr に統一するというのが良いのではないでしょうか。また、Windows 版 IE の場合にのみ、JavaScript で abbr 要素を acronym 要素に置換するという技も良いかもしれません。
参考
- abbr要素とacronym要素について(Chaichan-World !)
- 省略語句の説明(The Web KANZAKI)
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