pyramid 『pyramid3』

2011-4-18 19:41
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多くのアーティストのアレンジやプロデュースを手がけてきた鳥山雄司(Gt.)、T-SQUAREの元キーボーディスト和泉宏隆(Kbd.)、元カシオペアのドラマー神保彰(Dr.)というスタープレイヤー3人で結成されたスーパーバンド PYRAMID の3枚目のアルバム「PYRAMID3」がリリースされました。震災で多くの CD 発売が延期となるなかで予定通りのリリースです。

PYRAMID3

このメンバー3人は慶應大学在学中のメンバー同士だったことから、2005年より Pyramid として活動。これまで2枚のアルバムをリリースしていましたが、2006年から5年間は活動が停滞していました。

しかし、2010年末に再始動ライブを行ない、2011年4月に待望のニューアルバムをリリース。さらにリリースを記念したライブの開催が決定とファンとしては嬉しい展開です。

今回のアルバムには引き続きベースとして鳥越啓介(bass)が参加。さらにゲストとして鳥山の高校時代の友人でもある鈴木雄大(vocal)がコーラスを担当。さらには人気ヴァイオリン奏者である葉加瀬太郎が参加しコラボレーションという欲張りな内容となっています。

今回のアルバムには70年代の彼らが影響を受けた楽曲のカバーが4曲収められています。 ハンコックのカバーである 7曲目 “Hang Up Your Hang Up” は葉加瀬太郎が参加。この曲は “Hang Up Your Hang Ups” と複数形の題で知られていますが、今回許諾をとるために版権をもつ会社に確認したところ、単数形で終わる “Hang Up Your Hang Up” が正式なタイトルと判明したとのこと。

他にもデオダードの “Rhapsody In Blue”、 Azymuth の代表曲 “Fly Over The Horison”、ビートルズの “Ticket To Ride” を大胆かつクールにカバーしています。カバー、オリジナルとも洗練されたアレンジで聞き応えあり。

あえて聴き所を書くのも気が引けてしまうほどの内容なのですが、それでも書いておくと、アコースティックとエレキを自在に操る鳥山雄司のギターは全編にわたって印象的です。ベンソンに影響を受けたというオクターブ奏法も聴き所の一つ。

そして神保彰のピアノがすごい。とくに9曲目 “Night Stream” の流れるような美しいメロディラインは夜にピッタリ。続く10曲目の “Time Line” のピアノの奏でる高速なメロディは圧巻で、感動を超えて「なんだよこれ」って笑ってしまうほど。この曲は和泉のドラムも冴え渡っています。一番のお気に入り。

ラストのオリジナル曲 “Ray of Hope” は「希望の光」を意味しています。もちろん大震災発生前に収録されたものですが、美しい旋律から始まり、優しさと力強さを感じさせるこの楽曲が奇しくもラストに収められているのは、日本への希望を感じさせてくれます。

カバー、オリジナルあわせて全11曲で構成された新しいアルバムは、フュージョン好きなら文句なしにお気に入りになるであろう、珠玉の名盤です。買いの1枚です!!

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