桜井章一『人を見抜く技術』
麻雀で20年間無敗の伝説を作ったという桜井章一氏の『 人を見抜く技術20年間無敗、伝説の雀鬼の「人間観察力」』という本。タイトルに釣られて手に取りました。2009年1月刊行と少し前の新書です。
麻雀は理論やその時々の運もありますが、駆け引き・心理戦が非常に重要なので、相手の癖や行動から人の心理を見抜くようなことを書いてあるのかと思いました。
本書には例えば「親指が反っている人は何かにコンプレックスがあって過剰な力が入っている」などの具体的なことも書かれています。しかし、そういった癖から心理を見抜く具体的方法が書かれている部分は少ないです。
引きこもりなどの社会現象については失敗を恐れる人が多いとか、結果至上主義社会への憂いとか、著者の考えが書かれている部分が多いです。そういう意味ではタイトルに反していますし、本書に散漫な印象を受ける人もあると思います。
しかし、桜井章一という人の生き方という点で一本太い線が通った何かを感じます。それを大人の男のかっこよさと表現してしまうと語弊があるかもしれませんが、一貫している何かがあります。理想に近い部分もありますが、このような生き様に惚れてしまうという面もあります。
本書で共感したのは「悪い性格を直したいという人がいるが、性格はなかなか治らない。しかし癖は直せる」という部分でした。本書はいろいろな言葉から生き方を見つめ直すヒントとなると思います。時間を空けて読み返したい本です。
念のために書いておくと、本書は麻雀の話も出て来ますが、ルールや用語の知識は必須ではありません。
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