au の LISMO Port のデータバックアップは共有PCで使ってはならない
最近の au の携帯電話に附属している LISMO Port というソフトウェアがありますが、このソフトで PC にバックアップしたデータは、同じ PC を利用する他のユーザに見られてしまいます。共有パソコンでは利用しない方がよいでしょう。
LISMO Port はケータイ本体の楽曲データを PC に取り込んだり、PC から転送したりバックアップできます。楽曲だけでなくアドレス帳やメール・写真などのデータのバックアップもできます。また同梱の SonicStage for LISMO というツールで楽曲の管理や再生もできます。SonicStage ということからわかるように、このソフトは LISMO Port 本体も含めてソニーが作っています。ただし、CASIO、HITACHI、Toshiba など Sony 以外のau の機種にも対応しています。
この LISMO Port をインストールして、携帯からデータをバックアップしたところ、”C:\Documents and Settings\All Users\LISMO Port\PIM\001″ などというフォルダにコピーされました。この All Users 配下のフォルダに写真などの個人的なデータが入ります。もちろん All Users 配下なので、管理者権限がないと書き込みはできませんが Everyone に読み取り可能なわけです。
ということは同じ PC の利用者全員がメールやアドレス帳や写真といったプライベートなデータにアクセスできてしまいます。アドレス帳はバイナリデータですが、写真はそのまま見ることができてしまいます。WIndows NT の思想からして、All Users にはユーザ別のデータを保存すべきではないのですが……。
サブフォルダの “001” という数字は、LISMO Port 上でのユーザを表わしているようです。ユーザごとにパスワードをかけることができますが、LISMO Port 起動の際に尋ねられるパスワードであり、エクスプローラ上からはどのユーザのサブフォルダにも自由にアクセスできるのでほとんど無意味です。
LISMO Port の「ツール」メニューから「ファイルの保存場所」を設定できますが、初期状態で All Users の下に保存されるようになっています。ちなみにこの画面で保存先フォルダを変更できますが、レジストリの HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Sony Corporation\LISMO Port\PIM の値が変更されます。HKEY_CURRENT_USER ではないので、ユーザごとに保存先フォルダを変えることはできないようです。
また、このダイアログを見ると、同梱ソフトの SonicStage for LISMO のデータ保存先は、この設定とは別に設定するようです。気になったので、SonicStage for LISMO を立ち上げて、ファイルの保存場所の設定を確認すると……。
やはり All Users の下に保存する設定です。ダメダメですなー。基本的に他人と共有する PC では使えません。そういうユーザを想定していないのでしょう。
ちなみに、ネットから最新の LISMO Port 3.1 をインストールしてみましたが、同じ挙動でした。ただ、SonicStage for LISMO のデフォルトの保存先フォルダは “C:\Documents and Settings\All Users\Documents\My Music\Sony MediaPlayerX\” に変更になっていました。All USers 配下という点では一緒ですけど、Documents に保存するように変更になったようです。音楽データは家族みんなでどんどん共有しちゃましょういうことなんでしょうかね。
また、この LISMO Port はインストール時からなかなか行儀の悪いソフトです。まずインストール CD を PC に入れると、規定のブラウザで HTML ファイルを開くようになっています。その HTML ファイルから インストーラーの exe を実行させる形式となっています。IE 以外のブラウザの利用者をそもそも想定していません。動作環境に IE6.0, 7, 8 と書かれていますが、IE を通常使うブラウザにしていないとダメなようです。まあエクスプローラで階層をたどってインストールしましたけど。
もうアンインストールしましたけど。KDDI の開発者(というかソニーに開発者)はどういうつもりでこんな仕様にしたのでしょうね。
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