交渉人真下正義
『踊る大捜査線』シリーズは、フジテレビがもっとも力を入れているシリーズになりました。で、いまさらながら『交渉人 真下正義』のレヴューです。
公開後すぐに見に行きましたが、期待しないで観たのですが、それでもかなりがっかりしました。
ネタ的には面白そうな素材をふんだんに盛り込んでいます。
でも、脚本が練り込まれていないし、演出もイマイチです。
細かいディテールはいろいろ考えられているっぽいです。
地下鉄に関してだけ言っても「脇線」とか、広軌と狭軌の線路を乗り入れできる「フリーゲージトレイン」とか。
建設中の13号線も出てきて鉄道マニアは喜びそうです。
一方でハイテク捜査も、ZIP や Jazz などのマイナーメディアが出てくるところはニヤリとさせられます。
が、システムのつくり、画面構成がウソっぽさ丸出し。
視覚的に分かりやすさを追及したのでしょぅが、かえってリアルさが損なわれています。
っていうか、「そんなわかりやすすぎるシステムあり得ねー」って情報システム関係の人なら吹き出してしまいますよ。
で、脚本のどこがダメなのか。ここからはネタバレになりますが、
犯人が最後まで見えない、主人公が頼りない。
だから「実は××が犯人だった」などの意外性もないし、主人公が苦境に陥っても犯人が強く思えない。
強い主人公を翻弄させる犯人であればこそ、強敵と思えるのですからね。
さらにはヒロインの使い方がまったくなってない。あの待っているだけのヒロインは何ですか!!
私だったらヒロインを誘拐して暴走するフリーゲージトレインに縛り付けるくらいのシナリオをは考えますよ。
そうすればライフル隊が地下鉄を撃ちたくても撃てない場面もさらに面白くなるのに。
そもそもゴールデンウィーク明けに公開の映画でクリスマスイブという季節設定もどうにかならんのか。
恋愛ものの最後は雪の降るクリスマスイブが似合っているというトレンディードラマ的発想が、もう時代遅れだと気づいて欲しい。
他にも言いたいことはありますがここまでにして、同じようにこの映画を観て後悔してしまったひとには、サミュエル・L・ジャクソン主演の『交渉人』をお薦めします。
『交渉人真下正義』はもちろんこのハリウッド映画のパクリオマージュを含んでいますが、本家の方がだんぜん面白いです。
ストーリーは、百戦錬磨の交渉人が罠にかけられ、自ら人質をとってビルに立てこもります。
そして別の凄腕交渉人と交渉を続けながら、真犯人を暴いていくという、スリリングな内容です。
こちらは文句なしに楽しめますから、まだ観てない人は是非どうぞ。って何のレヴューだかまとまりのない文章になってしまいました……。
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