野沢聡子『問題解決の交渉学』

2005-5-1 22:06
このエントリーをはてなブックマークに追加
問題解決の交渉学

問題解決の交渉学』という題名と、「IBM をはじめ一流企業の社員研修でも採用!」という帯の文句に惹かれて読んでみました。しかし、期待はずれでした。

この本の趣旨は「対立」や「衝突」を「協調的交渉術」で回避しようというもの。当事者の一方が勝つのではなく、お互いが協調しあって解決して双方が満足するというもの。一言でいえば Win-Win の関係というもので、当たり前すぎるくらい当たり前のことしか書かれていません。書名に「交渉学」と掲げてありますが、学問と呼べるほどのものなのかは、はなはだ疑問です。

普段から「相手の立場に立って物事を考える」というコミュニケーションの基本ができていれば、小難しい学問に仕立て上げなくても、このようなことは自然と身に付いていると思います。しかしわざわざ学んでいる企業があるとしたら、それは「相手の立場に立つ」という基本ができていない人が多いということでしょうか。情けなさ過ぎる。

ライブドアの敵対的買収騒も、うまくいくはずないと思っていましたが、それは司法判断とか株主比率ではなく、この基本がわかっていない人たちだったからなのですよね。

  • ブックマーク : アクセス: 4,002回
  • カテゴリー : レヴュー

コメントはまだありません

No comments yet.

Sorry, the comment form is closed at this time.

31 queries. HTML convert time: 0.069 sec. Powered by WordPress. Valid XHTML
Copyright © 2003-2017 @ futuremix.org ログイン