田口ランディ『オクターブ』

2010-7-22 22:04
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田口ランディ『オクターブ』

最近いろいろ溜まっていた本を読んでいます。読んでいるそばから増えています。電子書籍になったら置く場所にも困らなくなるからますます買って読まない本が増えそうです。

さて、田口ランディの『オクターヴ』です。この小説は2002年に単行本として刊行された『7days in BALI』を大幅に改稿・加筆したもので 2007 年に文庫として発売されました。

バリ島で行方不明になった友人を捜すためにバリ島にやってきた女主人公が、様々な不思議な体験をするという物語。

バリ島を舞台に音楽と自然・宗教・性が混然となった独特の世界観を構築し、読者を不思議な感覚の世界へと誘います。日本で毎日過ぎていく鬱屈とした日々と、バリ島での開放的なのんびりとした時間の差を、知覚を超えた世界を提示することで描いています。

かなり精神世界というかオカルト臭が漂う小説ですが、創作としてなら受け入れることはできます。『コンセント』『アンテナ』『モザイク』から連なる読ませる文章は健在です。個人の潜在意識的なテーマから、世界の本質にまで踏み込んでいこうという作者のスタンスの変化があるように感じられました。

本書では絶対音感が一つのキーワードになっていますが、読み終わってみて、タイトルを『7days in BALI』から『オクターブ』に改名したのは秀逸だと思います。

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